はじめに

50代に入ってから、私たちは老後の備えについて真剣に考えるようになりました。
子どもがいない私たちにとって、将来どちらか一人になったとき、生活や相続をどうするかは避けて通れない問題です。お金のこと、身元保証、緊急連絡先など、調べ始めると備えておきたいことがたくさんありました。
「元気なうちにできる備えは早めに始めよう」と考えるようになりました。
そして本日、公証役場へ電話をして、公正証書遺言を作成するための予約を取りました。
予約日は数か月先ですが、それまでに必要書類をそろえたり、遺言の内容を夫婦で話し合ったりしながら、少しずつ準備を進めていきたいと思っています。
この記事では、私たちが遺言書を作ろうと思った理由と、公正証書遺言を選んだ理由について、実体験を交えながらお伝えします。
なぜ遺言書を作ろうと思ったのか

私たちが一番大切にしたかったのは、残された配偶者が安心して生活できることです。
そのため、お互いの財産はすべて配偶者へ相続させる内容の遺言書を作ることにしました。
親族とは一般的なお付き合いをしていますが、どんな家庭にも長年解決できない問題や、それぞれの事情があります。
だからこそ、私たちは「身寄りに頼らず、自分たちでできることは自分たちで準備しておく」ことが、将来のトラブルを減らす一番の方法だと考えています。
もちろん、困ったときには周囲の善意に助けられる場面もあるでしょう。そのときは感謝して受け入れたいと思いますし、逆に私ができることでしたら力になりたいと思っています。
しかし、お金のことで頼ったり頼られたりする関係は、お互いの負担になりやすく、関係性を壊してしまうことも少なくありません。
私はこれまで、お金が原因で人間関係が難しくなったケースをいくつも見聞きしてきました。
善意で始まったことでも、結果としてお互いを苦しめてしまうことがあります。
だからこそ、「今できる備えは今のうちにしておく」。
それが私たちの考えです。
私たちが公正証書遺言を選んだ理由
遺言書には、大きく分けて自筆証書遺言と公正証書遺言があります。
最初は費用を抑えられる自筆証書遺言を考えました。
現在は法務局の「自筆証書遺言書保管制度」を利用すれば、紛失の心配がなく、家庭裁判所での検認も不要になります。
費用も3,900円と利用しやすい制度です。
ただし、この制度は遺言書を保管する制度であり、内容が法律上適切かどうかまで確認してもらえるわけではありません。
もし内容に不備があれば、希望どおりに相続できない可能性もあります。
私たちは、そのリスクをできるだけ避けたいと考えました。
そこで選んだのが、公証人が作成する公正証書遺言です。
費用はかかりますが、公証人が法律に基づいて作成するため、形式上の不備によって無効になるリスクを大きく減らせます。
私たちは、「費用」よりも、「残された配偶者の負担をできるだけ減らすこと」を優先しました。
自筆証書遺言(法務局保管)と公正証書遺言の違い

| 項目 | 自筆証書遺言+法務局保管 | 公正証書遺言 |
|---|---|---|
| 作成方法 | 自分で作成 | 公証人が作成 |
| 保管 | 法務局 | 公証役場 |
| 費用 | 3,900円 | 財産額に応じて変動 |
| 紛失の心配 | なし | なし |
| 家庭裁判所の検認 | 不要 | 不要 |
| 内容の法的チェック | なし | あり |
| 形式不備による無効リスク | 公正証書より高い | 低い |
| 向いている人 | 費用を抑えたい人 | 確実性を重視したい人 |
まとめ

私たちは、遺言書を作る目的を「財産を残すこと」ではなく、残された配偶者の負担を減らすことだと考えています。
将来は何が起こるか分かりません。
だからこそ、元気なうちに準備しておけば、自分たちも安心できますし、家族への負担も少なくできます。
私たちは費用よりも確実性を優先し、公正証書遺言を選びました。
これはあくまでも私たち夫婦の選択ですが、「もし自分たちだったらどうするだろう」と考えるきっかけになれば嬉しく思います。
